コンクリート壁にテレビを壁掛けする方法
必要な工具・金具・注意点

コンクリート壁に壁掛けされたテレビ

コンクリート壁は下地の心配がなく、木造の壁に比べて高い強度でテレビを固定できるのが最大のメリットです。一方で、振動ドリルなど専用の工具が必要になる、マンションでは管理規約の確認が必要になるケースがあるなど、木下地や石膏ボードの壁とは異なる注意点もあります。この記事では、コンクリート壁にテレビを壁掛けする際の手順と、事前に確認しておきたいポイントをまとめました。

まず、本当にコンクリート壁かを確認する

壁を叩いたときに詰まった音がする、見た目で打ちっぱなしのコンクリートだと分かる、といった場合は判断がつきやすいですが、賃貸マンションなどでは表面がクロス貼りになっていて、見た目だけでは石膏ボードとの判別が難しいことがあります。叩診(叩いて音を確認する)・ピンを目立たない場所に刺してみる・コンセントカバーを外して断面を確認する、といった具体的な見分け方は「テレビ壁掛けの壁の構造とは?石膏ボード・間柱の見分け方を専門店が解説」で詳しく解説しています。この記事を読む前に、まずそちらで壁の種類を確認しておくことをおすすめします。

コンクリート壁と石膏ボード壁の見た目の違い

マンションの場合は「共用部分」にあたることがある

分譲マンションの場合、コンクリートの躯体部分は建物全体を支える構造であり、多くのマンションで管理規約上「共用部分」として扱われています。躯体に穴をあける工事は、管理組合への確認や近隣住戸への配慮が必要になるケースがあるため、着工前に管理規約を確認し、必要であれば管理組合や管理会社に相談することをおすすめします。特に「外壁に面した壁」「隣接する住戸との境になる壁」は、この扱いになりやすい傾向があります。賃貸物件の場合も、原状回復の条件を含めて事前に管理会社・オーナーへ確認しておくと安心です。

GL工法の壁は要注意

マンションによっては、コンクリートの躯体に接着剤を団子状に付けて石膏ボードを貼る「GL工法」という工法が使われていることがあります。この場合、表面は石膏ボードでも、奥にあるコンクリートまでネジを到達させるのが技術的に難しくなります。GL工法の壁に取り付ける場合、金具は石膏ボードではなく奥のコンクリート下地に固定する必要があり、石膏ボードと躯体の間にすき間があることも多いため、通常のコンクリート壁より施工の難易度が上がります。 施工業者によっては、GL工法の壁について「対応できるテレビは重量・サイズに一定の目安を設けている」「可動式ではなく角度固定式の金具のみを推奨している」といった独自の運用ルールを設けている場合があります。これは業界共通の規格ではなく各社の経験に基づく目安ですので、大型・重量のあるテレビをGL工法の壁に取り付けたい場合は、自己判断で進めず、施工業者に壁の状態を確認してもらうことを強くおすすめします。ご自身での施工に不安がある場合は、テレビ壁掛け工事サービスもご利用いただけます。

GL工法の壁の断面構造(コンクリート・接着剤・石膏ボード)

配線について、コンクリート壁ならではの注意点

木造の壁や石膏ボードの壁と異なり、コンクリート壁は壁の内部に配線を通すスペースがありません。そのため、コンクリート壁に壁掛けした場合、電源コードやアンテナ線は「壁の表面に露出させる」か「モール(配線カバー)で隠す」のいずれかになります。すっきりした見た目にしたい場合は、テレビの下にテレビボードやモールを設置する、コンセント自体を壁掛け位置の近くに増設する、といった対策を施工前に検討しておくとよいでしょう。

配線をモールで隠した施工例

必要な工具・材料

  • 振動ドリル(コンクリート用ドリルビット付き)
  • コンクリートアンカー(コンクリート壁はネジだけでは十分な保持力を得にくいため、必ず併用します。金具にはコンクリートアンカーが付属していないのが基本のため、金具の重量区分・使用するネジの規格に対応したものを別途ご用意ください)
  • コンクリート用ネジ(ほとんどの金具には付属していません。付属しているのは主に間柱・補強壁用のタッピングビスで、これはコンクリート用としては使用できません。一部の金具はコンクリート用ネジが付属していますので、まずは金具の付属品をご確認のうえ、付属していない場合は金具のネジ穴サイズ・使用するコンクリートアンカーに合ったものを別途ご用意ください)
  • ドライバー(電動ドライバーがあると作業がスムーズです)
  • 保護用の毛布・布(テレビを床に置く際の傷防止)
  • 軍手・保護グローブ
  • メジャー、マスキングテープ

コンクリート壁の施工に必要な工具一式

設置手順

壁掛け金具は、壁側の金具(レール)とテレビ側の金具(プレート)が別々になっているタイプが一般的です。取扱説明書の推奨手順に沿って、①まず付属品に過不足がないか確認し、②テレビ側の金具を先にテレビ背面のVESAネジ穴に取り付けて問題なく装着できるかを確認したうえで、③壁の取り付け位置を決めて④壁側の金具を固定し、⑤最後にテレビを壁側金具にかける、という順番で進めます。万が一テレビ側の金具がうまく取り付けられなかった場合でも、壁側にはまだ手を付けていないため、不要な穴を壁に開けずに済みます。

1. 付属品を確認する

箱を開けたら、まず取扱説明書の同梱物一覧と照らし合わせ、ネジ・ボルト・スペーサーなどに不足がないかを確認します。なお、コンクリートアンカーは金具に付属していないのが基本のため、この時点で規格に合ったものを別途用意できているかも合わせて確認してください。部品が足りないまま作業を始めると、テレビや金具を取り付けた状態で作業を中断することになるため、最初に必ず確認してください。

壁掛け金具の付属品一式を確認している様子

2. テレビ側金具をテレビ背面のVESAネジ穴に取り付ける

テレビを保護用の毛布などの上に置き、背面のVESA規格のネジ穴にテレビ側の金具をネジで取り付けます。ネジは金具に付属しているものを使用してください。テレビの背面パネルの厚みに対してネジが長すぎると内部の基板を傷つけるおそれがあるため、市販の長いネジに自己判断で変更しないようご注意ください。パネルとの間に隙間がある場合は、付属のスペーサー(ワッシャー)で調整します。ここでテレビ側の金具が問題なく取り付けられることを確認してから、次の壁側の作業に進んでください。

テレビ背面のVESAネジ穴に金具を取り付ける様子

3. テレビのサイズを測り、取り付け位置を決める

テレビの高さ・横幅を測り、壁に希望の設置位置(中心線)をマスキングテープなどでマーキングします。高さの決め方については「テレビ壁掛けの高さで後悔しないために」も参考にしてください。

壁に取り付け位置をマーキングする様子

4. 下穴をあけ、壁側金具を固定する【最重要】

振動ドリルを「回転(打撃なし)モード」に設定し、コンクリート用ビットで下穴をあけます。ドリルの太さは、使用するコンクリートアンカーの規格に合わせてください。穴をあける位置には、鉄筋だけでなく給排水管や電気配線が通っている場合もあります。壁の内部は目視できないため、壁の構造に不安がある場合や、指定された位置にどうしても穴をあける必要がある場合は、事前に施工業者へ相談することをおすすめします。コンクリートはネジだけでは十分な保持力を得にくいため、下穴にコンクリートアンカーを打ち込んでから、コンクリート用ネジで壁側の金具を固定してください。ネジが緩まないよう、規定のトルクで締め込みます。

振動ドリルでコンクリート壁に下穴をあける様子

コンクリートアンカーとコンクリート用ネジで壁側金具を固定する様子

5. テレビを金具にかけ、ロックする

壁側金具にテレビ側の金具を引っ掛け、ロック機構がある場合は必ず作動させて固定します。

テレビを金具にかけて固定した完成状態
※ ネジの選定やテレビの重量に応じた安全性の最終確認は、設置される方ご自身にご判断いただく必要があります。不安な点がある場合は、無理をせず施工業者にご相談ください

DIYに不安がある場合

コンクリート壁への穴あけは工具や技術のハードルがやや高く、マンションの管理規約の確認も必要になるため、他の壁材質と比べて「自分でやるかどうか」の判断に迷いやすいポイントです。ご自身での施工に不安がある場合は、テレビ壁掛け工事サービスでプロにお任せいただくことも可能です。またお使いのテレビとの適合に不安がある場合は、テレビ適合診断もご活用ください。 なお、当社の壁掛け金具は引張試験・耐震試験を実施済みです。コンクリート壁は木造の壁に比べて金具自体の強度を発揮しやすい壁材質でもありますので、しっかりとした固定を求める方にもおすすめです。

テレビを金具にかけて固定した完成状態

まとめ

  • コンクリート壁は強度が高い一方、マンションでは共用部分にあたり管理組合への確認が必要な場合がある
  • GL工法の壁は施工難易度が上がるため、大型・重量のあるテレビは施工業者への相談を推奨
  • 配線は壁内に通せないため、露出かモールでの処理を事前に検討する
  • 振動ドリル・コンクリート用ネジなど専用工具が必要
  • 不安な場合は無理せず施工サービスを利用する

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